中小企業の生成AI導入の基本 | 活用例やルール作りを解説
そもそも生成AIとは?
これまでのAIはあらかじめ与えられたデータを元に回答を返したり予測したりすることが主な機能でしたが、生成AIはインターネット上にある大量のデータを学習し、そのパターンから新しいコンテンツを生み出すことができるのです。
中小企業の生成AI導入の現状
総務省の「令和7年版 情報通信白書」によると、何らかの業務で生成AIを使用している日本の企業は55.2%と、半数を超えました。一方、帝国データバンクが2026年3月に行った「生成AIに関する企業の動向調査」では、生成AIを活用している企業は全体の34.5%でした。企業規模別に見ると、大企業の46.5%に対して、中小企業は32.4%、小規模企業では28.0%にとどまっています。
生成AIでできること
文章の作成
リサーチ・情報収集
資料作成の補助
画像の作成
選ぶべき生成AIサービスは?
生成AIのサービスは数多くありますが、最初の1つとして選ぶなら、主要なAIサービスである「ChatGPT」「Claude」「Gemini」の3つから検討するのが良いでしょう。
いずれも世界的に利用者の多いサービスですが、それぞれ少しずつ特徴や強みが異なります。
ChatGPT
米OpenAI社が提供する、もっとも広く知られている生成AIです。文章作成から調べ物、画像作成までできることの幅が広く、利用者が多いぶんネット上の解説記事や書籍なども豊富なので、最初に使い始めやすいサービスといえるでしょう。
私も業務でChatGPTを使用していますが、所感としてリサーチ・情報収集においては信頼できる場面が多い印象です。また、完成した文章のレビューを任せても精度が高いと感じています。
Claude
米Anthropic社が提供する生成AIです。日本語の文章の自然さに定評があり、お知らせ文やブログ記事など、文章まわりの業務が多い会社と相性が良いでしょう。長い文章や資料を読み込んでの要約・整理も得意とされています。
Claudeを提供するAnthropic社は、ファイル編集やコマンドの実行まで行うAIエージェント「Claude Code」でも知られています。チャット型のAIに比べると導入や活用のハードルはやや高いですが、プログラミングなどの複雑な作業や、業務の自動化なども行えます。興味のある方はぜひ調べてみてください。
Gemini
まずはどれか1つ使ってみよう
生成AIを使ううえでのルール作り
1. 個人情報や秘匿情報をAIに入力しない
生成AIは、設定によってはユーザーから受け取った情報を学習データとして活用する場合があります。顧客の氏名や住所、契約や見積の詳細などの秘匿情報を入力すると、情報漏えいにもつながりかねません。
社外に出すべきでない情報は原則としてAIに入力しないようにしましょう。AIに渡さない情報をあらかじめルール化しておき、質問する際に人名や社名を「Aさん」「B社」に置き換えるなどの対策を徹底しましょう。
2. アカウントを複数人で使い回さない
Claudeを提供するAnthropic社の消費者向け利用規約では、ログイン情報を他者と共有することが禁じられています(参考: Anthropic利用規約)。
また、AIはユーザーの質問の内容や要望の傾向などから、徐々にユーザーに合わせて最適化されるのですが、複数人のやり取りが混ざると、どのユーザーに最適化してよいかわからず、回答の効率や精度も上がりにくくなります。
主要なAIサービスには、複数人で使用することを想定した「チームプラン」が提供されています。複数人で使用しないと業務に支障が出る、という段階になったらチームプランの契約も視野に入れておきましょう。
3. AIの回答は必ず人が確認する
先述したように、生成AIの基盤技術であるLLM(大規模言語モデル)は、学習した膨大なデータから「ある言葉の次に来る言葉」のパターンを予測し、回答を生成しています。つまり、文章の内容を理解して回答を生成しているわけではないのです。
そのため、AIは回答の生成に情報が足りていなくても、断片的な情報をつなぎ合わせ、一見するとそれらしい回答を生成することがあります。これを「ハルシネーション」といいます。
AIの進歩は目覚ましいものがありますが、2026年7月現在、ハルシネーションはまだまだ実際に起こりうる現象です。文章、ソースコードや画像、情報収集のレポート、生成したものが何であっても最終的には人の目で確認して間違いがないことを確認することが何よりも大切です。
数字・名前・日付・制度の内容はとくに間違いが混ざりやすいので、お客様に出す文章や公開する情報は、必ず人が確認してから使うようにしてください。
▶︎関連記事: AIで文章作成をするときの注意点とは?品質を上げるチェックポイントと使い方のコツを解説!
導入の進め方|今日から始める4ステップ
1. 任せたい業務を1つ決める
最初から全ての業務をAIに任せたり、全社をあげて大々的にAIの活用を促進しようとしても、うまくいかないケースが多いです。まずはスモールスタートで試してみて、活用の余地があると判断したら少しずつ使用する人数を増やしたり、有料プランに切り替えるなどして、段階的な導入を心がけてください。
2. 無料プランでアカウントを1つ作る
どれか1つに絞るのが難しければ、複数のAIサービスを使って比較してみるのも良いでしょう。同じ質問をしてみて回答の精度を比較してみるのも判断材料になります。
3. 2週間ほど試して、使い方をメモする
4. ルールを整える
最初から完璧なルールブックを作る必要はありません。実際に使いながら「これは追加した方がよい」と感じたものをその都度書き足していくやり方がよいでしょう。ある程度使い方のルールが固まってきたら使う人を少しずつ増やし、複数人で本格的に使う段階になったら、人数分のアカウントの用意や有料プランの検討を始めましょう。
まとめ
最後に、中小企業の生成AI導入の基本を振り返ります。
- 中小企業の生成AI活用はまだ3社に1社程度。今から始めても出遅れではない
- 生成AIは文章作成・リサーチ・資料作成・画像作成の「たたき台づくり」が得意
- ChatGPT・Claude・Geminiは業務内容や体制に合わせて選び、まずは1つ試してみる
- 「個人情報を入力しない」「アカウントを使い回さない」「答えをそのまま使わない」の3つからルールを始める
- 「業務を1つ決める → 無料で試す → 使い方をメモ → ルールを整えて広げる」の4ステップで小さく始める
生成AIの導入は、大がかりな準備がなくても始められます。まずは無料プランでアカウントを1つ作り、日々の業務で時間がかかっている作業を1つ任せてみてください。使ってみると、自社に合う使い方が少しずつ見えてきます。
もし「自社だけでは判断が難しい」「ホームページの運用やWeb集客に生成AIをどう活かせばいいか分からない」という場合は、私たちズコーデザインにお気軽にご相談ください。
参考資料
- 総務省「令和7年版 情報通信白書(企業におけるAI利用の現状)」
- 帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」
- Anthropic「利用規約(消費者向け)」
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